誘拐ビジネス アルジェリア人質事件

アルジェリアのガス・プラントでのテロ事件。

この事件では、10名の日本人を初めとして多くの方が命を奪われた。
初めに、亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りします。


さて、犯人グループが言うところの犯行目的、
「フランス軍のマリ空爆への抗議」というのは口実に過ぎなかったようだ。

事件発生当初から、
犯人グループのリーダーは、誘拐ビジネスで
10年間に80億円を手に入れたことがあると報じられていた。
その豊富な資金で装備を固め、のし上がってきたと。

以下は青山繁晴さんの解説による。

今回も彼らの目的は身代金を手に入れるための要人誘拐だった。
事件のあった1月16日、
現地では日本人やイギリス人の重役が集まって会議が開かれることになっていた。
犯人グループはVIPルームに直行して重役達を捕まえ
5台のジープに分乗してマリ共和国へ連れ去ろうとした。
マリ北部のアジトに逃げ込んで、
数ヶ月数年かけて、じっくり身代金交渉をする計画だったのだ。
身代金の相場は一人200万ドル(約1億八千万円)。
日本人相手なら、さらに相場をつり上げられると考えたのかもしれない。

アルジェリア軍はその情報を得て、躊躇なく車列を爆撃した。
テロリストに身代金交渉をさせないことが
誘拐ビジネスを含むテロの連鎖を断つために最善の方法だと判断したわけだ。

その後の展開は、作戦に失敗した犯人グループが生きて逃げる交渉を試み
交渉の余地がないことを悟って人質を殺害し
自分たちも殺害されたということだ。

青山さんの言葉を借りれば、
日本人犠牲者10名のうち、9名は「巻き添え」を食ったのである。

人命尊重を第一にというのは確かにそうだ。
しかし、一人の命を救うために身代金を払えば、テロリスト達は学習する。
日本人なら身代金を払う、と。
それによって、新たに10人、100人、1000人の日本人が狙われ、命の危険にさらされる。
今回のように巻き添えで多くの方々の命が奪われる可能性も大きい。

従って人命尊重を第一に考えるなら
絶対に誘拐されないためのあらゆる対策を立てること。
それに尽きるのだと思う。
今の世界の状況においては、誘拐されたら諦めるしかないのかもしれない。

過去、このような身代金を支払ったことがないのは
アメリカとイギリスだけだそうだ。

現在の超大国と、20世紀前半までの超大国。
この二つの国は、本当の人命尊重とは何かを
冷徹には見えるが、しかし正しく理解し実践しているのではないだろうか?

それから、テレビでの解説で言われていた
イスラム教徒がキリスト教徒を敵視していることは
今回の事件ではほとんど関係ない。
まして日本人も敵と見られるようになったというのも、完全に的外れだ。

それよりも、誘拐ビジネスの標的にされる危険性はどこにでも潜んでいることを知り
特に海外旅行に出かける際には
一般人といえども、できるだけの情報収集と警戒を怠ってはいけない。