トランプ氏に騒ぎすぎ

人気ブログランキングに参加しています。
↓ 一日一回、応援のクリックをお願いします!


DSCN2772s.jpg

次期米国大統領のトランプ氏が何か言っている。

トヨタがメキシコに新工場を作るのが気に入らず、
ツイッターに
「ありえないことだ! 米国に工場を作れ。さもなくば高い関税を払え」
と投稿した。

いやいや、ありえないのはそっちでしょ?
その言い分は完全に間違っている。

トランプ氏が自国の企業に対して、
「アメリカの国益を考えろ、アメリカの雇用考えろ」
と要求するのは、当然のことだ。
しかし、日本の企業であるトヨタが
なぜアメリカの国益を最優先にしなければならないのか?
トヨタに国益というなら日本の国益が最優先となる。
言うまでもない。

日本人同士では交渉に際して、最初から相手の立場を考えることが多い。
無理難題を突きつけるのではなく、妥結出来そうなところから始めて
速やかに円満にまとまることを目指す。

ところが外国では主張と主張をぶつけ合って
ゴリゴリと激しいやり取りをして、最後に妥協点を見出す。
青山繁晴氏がよく
「外交交渉は、話半分」と言うのはそういう意味だろう。
それも力量が同等なら、のこと。
交渉力(背景に経済力や軍事力が必須)に差があれば
弱い方が押し込まれる。

そうした外交交渉の世界常識を知らずに大失敗をしたのが
あの大東亜戦争だった。
ハルノートを「最後通牒」と見なして、戦争回避の交渉を諦めた。
ハルノートについては当時米国内でも知っていたのは極々限らせた人だけで
国民は勿論、米国議会にも知らされていなかったことが分かっている。
日本側が最後通牒と受けとめない限り、
あれは最後通牒にはならなかったのだ。

開戦直後に戦艦2隻をあっという間に撃沈された英国のチャーチルが
「それならそうと言ってくれればよかったのに」みたいなことを言った。
交渉の弱気ぶりからは想像できないほど日本の軍事力が強かったことに
驚き、そして嘆いたそうだ。

トランプ氏は思ったことをズバズバと言う。
その効果を十分に考慮した上で言っている。
それに対しては
こちらも遠慮無くズバズバと言わなくてはならない。

「察する」とか「阿吽の呼吸」などとは無縁の人物には
明確に意思表示をしなければ誤解を招く。
決して間違ったメッセージを送ってはならないのだ。

トランプ発言で、日本の自動車株が下がったそうだが
騒ぎすぎ(過剰反応)である上に、騒ぐ方向がずれている。
メディアが囃し立てるのが、さらにみっともない。

米国は世界に冠たる先進国であり、法治国家である。
もしも大統領のツイッター発言ごときで物事が決まるというなら
それこそどこかの半島と類似の「人治国家」に堕する。

トランプ氏はこれからもツイッターで思ったことを好き放題に発信するだろう。
我が方としては、内容によってはきちんと反論する必要がある。
黙っていたら「黙認」になってしまうからだ。
今回の発言も、日本企業に対する筋違いな要求であるから
困惑ではなくて、より強い不快感を表明すべきだと思う。


2017.1.6 産経新聞
【トランプ次期大統領】
トランプ氏がトヨタ批判 「ありえない」メキシコ工場、変更迫る 日本メーカーにも矛先
 【ワシントン=小雲規生】トランプ次期米大統領は5日、トヨタ自動車がメキシコで着手した新工場の建設計画について、ツイッターに「ありえないことだ! 米国に工場を作れ。さもなくば高い関税を払え」と投稿した。トランプ氏は米自動車大手フォード・モーターにも同様の圧力をかけ、フォードはメキシコでの新工場建設計画を撤回したばかり。トランプ氏の企業に公の場で圧力をかける手法は激化している。
 トランプ氏の投稿は、トヨタの豊田章男社長が5日、東京都内でメキシコ工場の建設計画を維持すると表明したことを受けたもの。トヨタは2015年4月、メキシコに10億ドルを投じてカローラ約20万台の生産能力がある新工場を建設すると発表し、16年11月には起工式を行っていた。
 トランプ氏は選挙戦中から、米国、メキシコ、カナダで構成する北米自由貿易協定(NAFTA)を背景に、米国の製造業がメキシコに生産拠点を移していることが雇用流出につながっていると問題視。トランプ氏からメキシコでの新工場建設計画を強く批判されたフォードは今月3日、新工場建設を撤回した。
 またトランプ氏は自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)がメキシコで主力車種を生産していることも攻撃。今後、トランプ氏と自動車業界の摩擦が強まる可能性もありそうだ。

2017.1.7 産経新聞
【トランプ次期大統領】
トランプ氏、通商戦略で日本企業に“牙” 貿易摩擦再燃に懸念、日米2国間軸に駆け引きへ
 トランプ次期米大統領の強硬な通商戦略が5日、ついに日本企業に“牙”をむいた。トヨタ自動車のメキシコ新工場建設計画に対する批判は、通商協定の軸足を環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など多国間の枠組みがもたらす輸出拡大から、国内産業保護へとかじを切る流れの一環だ。日本にも今後、米国に有利な2国間協定を求めてくる可能性が高く、貿易摩擦の再燃に懸念が強まっている。
 「トヨタが米国内でつくっている車がどれぐらいあるのか、次期大統領の頭の中に入っているのか疑問」(麻生太郎財務相)
 トランプ氏のトヨタ批判を受け、日本政府内では困惑が広がった。1980年代の日米自動車摩擦以来、現地生産を増やし“米企業”として溶け込もうとしてきた同社の「努力と実績」(世耕弘成経済産業相)を政府としてもアピールし、米新政権の理解を得たい考えだ。
 トランプ氏は、北米自由貿易協定(NAFTA)内なら原則ゼロになる乗用車の関税を、メキシコなどからの輸入品に対して「35%課税する」と表明した。
 ただ、NAFTAを構成するメキシコやカナダが再交渉に応じる保証はない。また、米国が世界貿易機関(WTO)加盟国に適用する乗用車の最恵国待遇(MFN)税率は2・5%で、35%まで引き上げれば協定違反を問われかねない。
 トランプ氏がこうした強硬策を打ち出すのは、従来の通商協定が米国の産業を弱体化させ、雇用の喪失を招いたとみているからだ。20日の大統領就任日にはTPPからの離脱を通告し、代わりに各国と個別協定を結ぶとしている。
 「米国第一」を掲げるトランプ次期政権は、2国間交渉で自国の市場開放を最小限に抑える半面、相手国にはTPPを上回る大幅な自由化を求める可能性が高い。
 強硬策を本当に実行するのか、“脅し”をかけて企業の国内回帰を引き出したいのか、トランプ氏の本意はまだ見えない。ただ、トランプ氏のペースに巻き込まれれば国益を大きく損なう恐れがあり、日本政府は「2国間交渉には絶対に応じられない」(経済官庁幹部)と警戒感を強めている。(田辺裕晶)