フラクタル日除け 小さいものは熱くならない

このところ読書と言えば社会科学分野(政治とか歴史とか)ばかりだったが
久しぶりに自然科学系の本を読んだ。

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酒井敏 著
都市を冷やすフラクタル日除け 面白くなくちゃ科学じゃない

この本を買ったのは昨年6月だったが
雑事に追われている間に行方不明になってしまった。
正月に向けての片付け中に発見され、ようやく読むことが出来た(汗)。

ヒートアイランド現象とはよく耳にする言葉だ。
ウィキによると、ヒートアイランド現象とは
「都市部の気温がその周辺の郊外部に比べて高温を示す現象。」
であり、その原因は
「地表の被覆の人工物化、人工排熱の増加、都市の高密度化の3つが大きなもの」
とされている。

この本では
「地表の被覆の人工物化」の本質が
「植物か人工物か」ではなく「表面積が小さいか大きいか」にあることを
著者が見出し、
その考えに基づいて「表面積の小さい人工の日除け」を作る経過が
読みやすい文章で描かれている。

「小さいものは熱くならない」のは伝熱工学という分野の教科書には書いてあることだそうだ。

102ページ コラム17より
空気中の熱い物体の周囲には、高温の薄い空気の層が出来ます。これを熱境界層といいます。
(中略)境界層の中では、物体表面の影響で空気が動きにくく、断熱材として働くのに対して、その外側では(空気が流れるので)非常に効率のよい熱伝導体になっているのです。そして、この境界層が厚いほど、熱は伝わりにくくなります

そしてごく簡単な数式で、
「面積の大きなものほど熱境界層の厚さは厚くなり、熱が逃げにくくなる」ことが示される。

真夏の日向に車とミニカーを並べて置いた場合
ミニカーは車ほど熱くはならない、ということだ。


本書は

それ、ほんと? [疑問編]
やってみたらええやん![実践編]
マジで!? [理論編]
行き当たりばったりの出たとこ勝負 [完成編]
その後のはなし

という構成で、
上に紹介した熱境界層の話はほんの一部である。
自然科学の楽しさが伝わってくる、とても面白い本だと思う。

この本には他にも紹介したい部分があるので
改めて別記事にするつもりだ。

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