新国立競技場問題

昭和39年の東京オリンピックのために建てられた国立競技場が解体された今になって、
新国立競技場の建設が間に合わないのでは、という大問題が表面化した。
3年前にコンペでザハ・ハディド氏のデザインに決まった当時から指摘されていた様々な問題点が
現実のものとなったのだ。

一般人の感覚では、コンペ要件で建設費が設定されていたのに
いざ建てようと見積もったら予算枠の倍以上になるというのが信じられない。
敷地面積を超えるような大きさだった事とあわせて
そもそも「応募要件を満たしていない」ということだ。
ザハ案を採用したことが間違っていたと言わざるを得ない。。

そんな案がなぜ採用されたのか?
選んだ専門家の責任は大きいのに、
ここに至っても彼らから反省や解決策に関する発言は見られない。

当時の経緯と彼らの責任は、時間を掛けてきちんと検証する必要がある。

その上で、今やるべき事はザハ案を失格として
次点となったデザインを採用することである。
なぜなら、
ザハ氏はルール違反を承知でアピール度の高いデザインを出し、コンペに勝った。
そんな「ずるい人間」の作品を私達のオリンピックのシンボルにしていいのか?
そんなものに私達の税金を、莫大な額の税金を使っていいのか?

私は断じて許せない(怒)。

「今になってのデザイン変更は国際的な信用を無くす」との声もある。
しかし、こんな事で失われるような信用など、タカがしれている。
国際的なメンツよりも、
正々堂々を良しとする日本人の精神性を重んじるべきだと思う。

6月19日の産経新聞記事に詳しい経緯と現状があったので
以下に転載する。
【新国立競技場】
コスト高、難工事… 斬新なデザインが足かせに 計画迷走に建築家、ゼネコンから異議噴出
 2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場(東京都新宿区)の設計案をめぐる議論が紛糾している。国際コンペを勝ち抜いたのはイラク出身で英国在住の女性建築家、ザハ・ハディド氏(64)の作品。競輪選手のヘルメットのような流線的で斬新なデザインだ。同氏は国際コンペで優勝してもデザインが奇抜すぎて立ち消えになった建築も多く、「アンビルト(実現しない建築)の女王」の異名を持つ。コストや工期の厳しい制約の中で、五輪のシンボルまで「アンビルト」になり果てるのか。

コンペの審査員も課題を認識
 「日本のゼネコンの技術は世界最高水準といわれる。極めて難易度の高い工事だが、作れないことはない。むしろ最大の問題はコスト。あの設計案では莫大(ばくだい)なコストがかかることは明白だったはずだ」。大手ゼネコンの関係者は建設計画の迷走を嘆く。
 時計の針を3年前に戻す。12年7月、文部科学省の外郭団体である日本スポーツ振興センター(JSC)は新国立競技場の国際デザインコンクール(コンペ)を実施すると発表した。審査委員は10人で、建築や都市工学などの専門家で構成。委員長に就いたのが日本を代表する建築家、安藤忠雄氏だった。
 コンペの応募は9月に締め切られ、国内外から46点の設計案が届いた。11点が進んだ11月の最終審査では、ザハ氏の案のほか、豪州と日本の設計事務所の案の3点が残った。審査員はザハ案について「強烈」「斬新」と評価しながらも「コストが懸念」「修正が必要」と不安要素も口にし、決選投票でも票は割れた。結局、最後は安藤氏の“裁定”によりザハ氏の案を最優秀賞とした
 安藤氏は審査講評でこのデザインを「日本の閉塞(へいそく)的な状況を打ち破れる」と高く評価した上で「相当な技術力が必要。日本でできれば世界へのインパクトがある」と付け加えた。安藤氏を含む複数の審査員がコスト面や技術面での問題を認識していたことになる。

コスト跳ね上げた2本の「橋」 費用負担めぐり紛糾
 JSCは当初、建設費を1300億円と見積もり、コンペを実施した。だが、国際オリンピック委員会(IOC)の総会で開催地が東京に決定した直後の13年秋、これが3000億円に膨らむことが明るみに出た。ザハ氏の奇抜なデザインが見積もり額を押し上げたことは明らかだ。
 さらにこの案は、コストを跳ね上げる決定的な問題を抱えていた。開閉式の屋根を形成するために競技場の屋根部分に架ける2本のアーチ、つまり「橋」のことだ。長さは1本400メートルもあり、鋼材の使用量はおよそ2万トンに上る。さらに本来は建物に使う技術でないため、難工事は必至だ。「建築工事というより、むしろ大規模な土木工事のたぐいのもの。お金がかかるのは当たり前だ」。ある建築家はこう指摘する。
 その後、JSCの有識者会議でザハ氏の案は変更。面積を4分の3に縮め、高さも低くするなど規模を縮小。総工費を1625億円にまで圧縮した。だが、折からの人件費や資材費の高騰もあって、この額は2500億~3000億円に膨らむのではとみられる。
 建設費が1000億円を超える競技場はほとんど前例がなく、横浜市の日産スタジアムが約600億円、「鳥の巣」といわれた北京五輪スタジアムも500億円程度だ。
 費用負担をめぐっては舛添要一都知事と下村博文文部科学相との対立も勃発。下村文科相は先月、開閉式屋根の設置を先送りにすると明らかにしたうえで、舛添知事に500億円超の負担を要請。これに舛添知事が猛反発したのだ。
 また、もともと新国立競技場は2019年のラグビーワールドカップ(W杯)のために検討された施設。工期の制約が厳しくなる中で、東京五輪組織委員会会長で日本ラグビー協会会長も務める森喜朗元首相は「W杯に間に合わせてもらわないといけない」との姿勢を崩さない。だが、19年までに完成させるには突貫工事が必要で、「さらに建設費がかさむ」(大手ゼネコン)ことは確実だ。

屋根か工期か、迫られる「妥協」
 自らの設計案が火種となったザハ氏は、22歳でイラクから英国に渡り、30歳で設計事務所を立ち上げた。出世作となった香港のレジャー施設「ザ・ピーク」は1983年の国際コンペで優勝したが資金不足で実現しなかった。94年のコンペで最優秀作となった英カーディフのオペラハウスも、地元の反対で頓挫。予算や施工能力の問題からこうした「アンビルト」が国内外に点在している。
 それでも、「脱構築主義」と旗手といわれる同氏のデザインへの評価は国際的に高く、2004年には「建築界のノーベル賞」といわれる米プリツカー賞を女性で初めて受賞し、09年には高松宮殿下記念世界文化賞も受賞。今や世界有数の建築家だ。
 それでもザハ氏の新国立競技場の設計案をめぐっては、同じ建築家の世界から異論が噴出する
 「巨大すぎる。地球から姿を消した恐竜のようだ」。同じくプリツカー賞の受賞歴がある重鎮、槇文彦氏(86)らのグループはコストや景観問題を理由に一貫して計画に反対。開閉式屋根やアーチを見直すよう提言している。一方でザハ氏の事務所は共同通信の取材に「大幅な設計変更には1年かかる。非現実的な選択肢でコスト削減につながる保証もない」とコメントしている。
 また、ザハ氏の才能を見いだしたといわれる磯崎新氏(83)は当初案からの設計変更を経た現行案に対し、「当初のダイナミズムが失せ、列島の水没を待つ亀のような鈍重な姿にいたく失望した」と痛烈に批判している。
 迷走を続ける新国立競技場の設計案。設計に関わる関係者からはこんな声も上がり始めた。
 「まさに『船頭多くして船山に登る』だ。『金ならいくらかかってもいいから作れ』なのか、『予算の範囲内で抑えろ』なのか、『工期は絶対間に合わせろ』なのか。コスト、工期、設計内容のうち、どこかで妥協しなければ計画は前に進まない
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今までの例に倣えば「コストで妥協」の可能性が高いが
なんとしても、設計の全面変更(=ザハ案の廃棄)を希望する。

それから
「日本の閉塞(へいそく)的な状況を打ち破れる」と高く評価したという安藤忠雄氏。
意味不明である。

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