外務省はやっぱり害務省

昨年12月28日の慰安婦問題に関する日韓合意は
歴史の事実を曖昧にした、納得のいかないものであった。

慰安婦問題が事実をねじ曲げ日本バッシングに使われ
世界がそれを信じ込んでいる現状。
その大きな原因が日本国外務省の不適切な対応にあることを
櫻井よしこさんが改めて指摘している。


2月1日 産経新聞
祖国の名誉のために闘わぬ外務省に「性奴隷の国」からの名誉回復は任せられぬ
 2月15日からジュネーブで開かれる国連女子差別撤廃委員会で政府がようやく、「慰安婦は強制連行ではない」と反論する。これは昨年7月、同委員会から「慰安婦の強制連行はないとの主張がある、見解を述べよ」と問われた件への回答である。
 わが国への執拗で根深い歴史非難は、外務省が国際社会に向けて一度もまともに反論しなかったことが最大の原因である。国益を深く傷つけた従来の沈黙に比べれば、今回は最小限の反論ながら、反論した点で一応評価してよい。
 しかしここに至るまでの深刻な対立を見れば、日本の真の名誉回復は外務省ではおぼつかないと考えざるを得ない。差別撤廃委員会への回答は、実は、昨年11月までに完成していた。クマラスワミ報告書をはじめ国際的対日非難の勧告に、「一方的で裏打ちのない内容が記載され」たと反論し、客観的事実に基づく日本理解を求めるしっかりした内容だった。
 慰安婦強制連行に関する日本側の証言者、吉田清治氏の記事を『朝日新聞』が取り消したこと、1990年代初頭以降の日本政府の調査は軍や官憲による強制連行を示す記述には行き当たらなかったこと、20万人の数字は慰安婦と女子挺身隊の混同で具体的裏づけはないことなども、明記していた。

 ところが、昨年12月28日、日韓外相が慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的に解決される」と合意すると、外務省が右の回答に難色を示した。「一方的で裏付けのない内容」などの「強い」表現の反論では国内の強硬論と向き合わざるを得ない尹炳世外相がもたないとして、「最終的かつ不可逆的」という合意と、国際社会では非難し合わないとの合意だけを書いた一枚紙を代替案として出してきた。
 猛然と異論を唱えたのが首相補佐官の衛藤晟一氏らである。国連の問いにまともに答えない正当な理由は何か。事実の客観的陳述は、非難し合わないとの合意には反しない、という氏らの主張は全てもっともだ。そこで出された折衷案が冒頭の回答だった。
 強制連行は否定しているが、文書では20万人、性奴隷などの非難には全く触れていない。それらは、ジュネーブの会議で杉山晋輔外務審議官が口頭で述べるそうだ。
 状況の厳しさを外務省はどこまで理解しているのだろうか。口頭説明だけで日本への根強い歴史非難を打ち消せるのか。そもそも、今回反論の機会に恵まれたのも、外務省の働きによるものではない。
 前衆議院議員の杉田水脈氏らが昨年7月、同委員会準備会合で強制連行説には根拠がないと訴えたのがきっかけである。委員らは「初耳だ」と驚き、日本政府に問い合わせた。国際社会に向けて外務省がいかに何も発信していないかを示している。
 昨年暮れの日韓合意は確かに両国関係を改善し、日米韓の協力を容易にした。しかし、それは短期的外交勝利にすぎない。「保守派の安倍晋三首相さえも強制連行や性奴隷を認めた」と逆に解釈され、歴史問題に関する国際社会の日本批判の厳しさは変わっていない。長期的に見れば安倍首相発言で日本は以前よりさらに重い課題を背負い込んだのである。だからこそ、いま、楽観を排して、以前よりずっと賢い永続的な情報発信をする重い責務を負っているのである。
 首相が国会で日本のこころを大切にする党の中山恭子氏の質問に答えて、「性奴隷あるいは20万人といった事実はない」「政府としてはそれは事実ではないとしっかり示していきたい」と明言したのは、その点を踏まえているのであろうと、私は推察した。
「軍の関与の下」との発言は「慰安所の設置、管理および慰安婦の移送」に間接直接に関与したという意味で、強制連行ではないとの発言についても同様である。
 国会という最も公の場における首相の重要発言に外務省はなぜもっと真剣に向き合わないのか。国益を守る信念を首相の言葉から読みとり、国益を守る闘いにどこまでもコミットする気概を、なぜ外務省はもっと明確にしないのか。まさか、首相ひとりを前面に立たせて孤独な戦いを続けさせるつもりではあるまい。
 萩生田光一官房副長官は日韓が互いを非難しないことと客観的事実の説明は全く別次元と明言したが、外務省がその意味を理解しない間に、韓国でも世界でも、日本をおとしめる計画がさらに進むのである。
 合意の日、岸田文雄外相は韓国側が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に慰安婦問題を世界記憶遺産として申請することはないとの認識を語ったが、韓国側は翌日、真っ向から否定した。現在、中国は、韓国、インドネシア、台湾などに呼びかけ2年後の共同申請に向けて準備中である。慰安婦像も撤去どころか韓国内外で増えつつある。
 いま全力で闘わなければ日本に対して植えつけられた「本性はけだもののように残虐」(中山恭子氏)との曲解を解くことなど到底、難しい。だが交渉しても闘わないのが外務省の習性である。マイク・ホンダ氏、朝日新聞、クマラスワミ報告、いずれにも、外務省は実質的反論をしなかった。日本の名誉をかけた闘いから逃げ続けてきた。
 外務省は自らの使命は外交交渉にあり、歴史情報の発信や祖国の名誉擁護は任ではないと考えているのか。であれば、歴史情報の発信は他の組織に任せるしかないではないか。歴史の事実を武器に、知的に果敢に闘う新体制づくりが首相の責任である。
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国家機関である外務省が「役立たずの害務省」であることがとても腹立たしく情けない。
外務省に任せておいてはダメなのだ。

「杉田水脈氏らが昨年7月、同委員会準備会合で強制連行説には根拠がないと訴えた」記事を以下に転載しておく。

2015.8.8 産経新聞
【歴史戦】
「慰安婦は性奴隷ではない」…真実訴えて欧州行脚、民間団体が「風」起こす
 慰安婦問題などの真実を世界に伝えようと、日本の複数の民間団体が合同で今年7月、欧州行脚に挑んだ。ジュネーブの国連代表部では「慰安婦は性奴隷ではない」と訴え、パリでは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録が検討されている南京事件と慰安婦の関連資料への反論書簡を提出した。参加者は1週間、足がかりのない欧州で活動の難しさを感じながらも、今後への感触をつかんだようだ。(パリ 内藤泰朗、写真も)

 「準備は大変だったが、外国人を含め、民間のいろいろな方々の協力があって実現できた」。企画のまとめ役となった日本女性の民間団体「なでしこアクション」の山本優美子代表は、こう語った。
 実は、山本代表らの欧州行脚は初めてではない。昨夏、国連の自由権規約委員会による対日審査に関連して、国連代表部を初めて訪ねた。だが、国連のしきたりを知らず、慰安婦問題については委員の机の上に資料を置くのがやっとで、関連イベントでは何も訴えることはできなかった。日本の別の民間団体が企画したイベント会場に入れないという屈辱も経験。「今回はそのリベンジ」(参加者)だったのだ。
 参加したのは、5団体計20人。慰安婦を日本の「犯罪」による被害者だと指摘してきた国連女子差別撤廃委員会の第63回準備会合の場で、「慰安婦は性奴隷ではない」との主張を初めて展開した。
 国連代表部内では、日本の歴史文化を紹介する「ジャパノロジー」セミナーが行われた。ただ、「慰安婦は売春婦だった」と記したパネルの展示場所を会場入口の廊下から会議室内に移動するよう求められるハプニングがあった。折り紙や書籍、資料などほかの陳列品には文句が出なかったことから、国連側が慰安婦のパネルだけを人目から遠ざけたかったのではないかとみられる。
 しかし、「国連で3日間にわたり、慰安婦の真実について展示できたことは意義があった」と山本氏は話す。
 一般の人を対象にジュネーブ市内で開いた慰安婦問題のセミナーには、一般の参加者が10人弱と集客に苦戦し、将来に課題を残した。それでも、英語で反論の情報発信をすることの重要性を学んだ。
 ユネスコでは、中国政府が昨年6月に世界記憶遺産に南京事件と慰安婦の資料を登録申請したことを受けて、英文による反論書簡を提出し、登録しないよう申し入れた。反論書簡は、同問題を専門に研究する著名学者たちの監修を得ながらも、一般市民たちが尽力し自ら作成した。
 書簡は、反論のポイントを含め全19ページ。南京事件については、「日中戦争当時、日本軍と戦う中国国民党が日本軍の残虐性と非道さを描くためのプロパガンダ(政治宣伝)として捏造した“事実”で創作したものだ」と断定した。慰安婦については、だまされたり、親に売られたりする犯罪はあったが、「戦時下における売春婦だった」と結論づけている。
 10月4~6日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで開かれるユネスコの第12回国際諮問委員会で、南京事件と慰安婦の資料が世界記憶遺産に登録されるかどうかの勧告が出される。登録が勧告されれば、ユネスコのボコバ事務局長が承認し、7日には正式に決定、発表となる見込みという。
 「やる気になれば、民間の力でもここまでやれる。今後、発展させることができると確信した」「国連内にも歴史問題で心を痛めている人がおり、協力を申し出てくれた」ことが今回の収穫だったという。
 ただ、今回の企画は、一部篤志家の寄付はあったものの、基本的には参加者が費用を負担して行われた。「民間団体ができることには限りがある。政府としてももっと発信してほしい」との声も聞かれた。
 バルセロナ日本人学校の校長などを務めた「慰安婦の真実国民運動」幹事長、岡野俊明元銚子市長は「歴史問題が国際問題に発展している現状を見れば、歴史教育がいかに重要か、分かる。日本の教育者はこの現実を肝に銘じるべきだ。今回の経験を全国に伝えてゆきたい」と話していた。
 また、米テキサス州から参加し、「テキサス親父」のニックネームで知られる評論家のトニー・マラーノさんは「残念ながら、こうやって世界に訴えていくほかに、正義を世界に示す方法はない。決してあきらめてはいけない。正しいことを明らかにするため、楽しみながら活動していれば、必ず風向きが変わるときがやってくる」と語った。
 欧州では、慰安婦問題や南京事件に関しては、日本側で進む研究の成果や米国などで起きている慰安婦像の設置が政治問題となっていることなどはほとんど知られていない。世界のレベルでは、まだまだ逆風が吹き荒れている。
 「国連やユネスコはけしからんと言ってみても何も変わらない」「時間がかかっても、毎年、地道に真実を訴え続けて仲間を増やしていくことで、世界は変わっていく。今回はその一歩を踏み出したに過ぎない」「いろいろな人がさまざまな形で運動を起こして世界に訴えていくことが何より大切だ」-。参加者たちに共通した感想だ。

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