挙証責任

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国家戦略特区制度での獣医学部新設について
「石破4条件が満たされないのに設置が決められ、行政が歪められた。」
と前川・前文部科学省次官とマスメディアが騒ぎ続けている。

公開されている議事録などを読むと、文科省は、
「申請者側が4条件が満たされていることを示さなければならない。」
と主張していたことが分かるが
これは国家戦略特区制度の基本方針に反した主張で、大きな間違い。
文科省側が「満たされていないことを示さなければならない」のである。

平成26年2月25日
国家戦略特別区域基本方針
を読むと、
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2.区域計画の認定に関する基本的な事項
20ページ
③迅速な処理
国家戦略特区制度においては、スピード感が重要であり、区域会議において作成され た区域計画の実行が、内閣総理大臣の認定手続により遅れることがあってはならない。 このため、内閣総理大臣の区域計画の認定手続は、できる限り迅速に行う。 また、関係府省庁の長は、内閣総理大臣が区域計画の認定を迅速に行うことができる よう、速やかに、法第8条第9項に基づく同意についての判断を行い、通知するものと する。
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とあり、認定を迅速に行う、スピード感が重要だと強調されている。
そこで、認定に際して、関係する府省庁が反対するなら、
その理由を反対する側が説明しなければならないと明記されている。

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21ページ
⑤関係府省庁の長が不同意の判断をする場合の取扱い
関係府省庁の長が不同意と回答する場合には、どの部分が法令の規定に適合しないのかについて、具体的な理由を付して説明するものとする。
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がその部分である。

今治市からは石破4条件の中の
「ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき具体的需要」
があるとの立場で申請がされているのだから
もしも文科省が不同意なら
「具体的な理由を付して説明」しなければならないのは、文科省なのだ。

具体的、
つまり客観的な調査データに基づいた獣医師の需給見通しを示した上で、
そのような需要は無い、となって初めて
文科省としては同意しないと主張できる。

ところが「獣医師が新たに対応すべき具体的需要」があることは
誰の目にも明らかで
データからきちんと需給見通しを算定すれば
需要があることが客観的に裏付けられてしまい
同意せざるを得なくなるのは文科省も分かっていた。
そこで催促されても需給見通しを示さずに、無駄な抵抗を試みた。

文科省が「挙証責任を果たせなかった」とか「敗北した」というのは
こういうことである。

石破4条件は獣医学部新設にとって大きな壁となった。
それでも基本方針に定められた
「スピード感」「反対する省庁の挙証責任」が
その壁を突き破ったのである。

産経新聞の加計学園シリーズ3回目の記事では
民間議員の方々が壁を突き破るために戦った様子が描かれている。


017.7.20 産経web
【加計学園 行政は歪められたのか(下)】
文科省はサボタージュで抵抗しただけ…挙証責任果たせず「白旗」 「ご意向」文書の真意とは?

 学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画をめぐる批判が吹き荒れる6月26日、地方創生担当相の山本幸三は内閣府での会合でこう語った。
 「この話は、去年3月末までに文部科学省が挙証責任を果たせなかったので勝負はそこで終わっている。半年後の9月16日に延長戦としてワーキンググループ(WG)で議論したが、そこでも勝負ありだった」
 多数のメディアや野党は、首相の安倍晋三と加計学園理事長が旧知の仲であることから「加計ありきだった」という批判を続けている。その最大の根拠は、内閣府幹部職員が文科省職員に「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと語ったとする同省の内部文書だった。
 ところが、「官邸の最高レベル」という文書の日付は「平成28年9月26日」。この時点ですでに獣医学部新設の議論は決着しており、安倍の意向が働くことはありえない
 では、日本獣医師会の強い意向を受けて、獣医学部新設を極めて困難とする「石破4条件」が27年6月30日の閣議決定「日本再興戦略」に盛り込まれたにもかかわらず、愛媛県今治市の獣医学部新設の特区申請が認められたのはなぜだったのか。
× × ×
 国家戦略特区WG座長でアジア成長研究所所長の八田達夫は「4条件により制限は加えられたが、達成可能だ」と踏んだ。日本再興戦略で「獣医学部新設に関する検討」という文言が明記されていたからだ。
 文科省は、農林水産省による獣医師の需給推計を根拠に「獣医師は足りている」として学部新設や定員増を拒み続けてきた。
 八田はこれを逆手に取った。日本再興戦略を読み解いた上で「成長戦略につながる高度な研究や創薬など新たな部門に携わる獣医師の需要が明らかになれば、クリアできる」と理屈づけたのだ。
 しかも日本再興戦略では「28年3月末までの検討」を農水省や文科省に義務づけた。八田はこれこそ最重要ポイントと考え、WGは両省に「再検討」を求めた
 だが、ここから文科省は猛烈なサボタージュを始めた。八田は内閣府を通じて文科省に検討状況を何度も尋ねたが、期限である「28年3月末」が過ぎても明確な回答はなかった。結局、WG会合が開催されたのは、期限の半年近く後の同年9月16日だった。
× × ×
 WG会合では、新たな部門での獣医師需要について農水省は「特に説明することはない」と関与を避けた。文科省は「各大学で取り組んでいる内容だ」と従来の説明を繰り返した。
 「家畜の越境国際感染症など、これまで対応する必要がなかった部門で需要が出てきた。新たなニーズに対応するマンパワーの増強が必要ではないか」
 「新しい分野も既得権を持った大学の中だけでやろうというのはあり得ない。本来は28年3月末までに検討するはずだったのに、今になって需要の有無の結論が出ていないのは遅きに失している
 委員たちは矢継ぎ早に文科省を攻め立てたが、同省側はひたすら4条件をそらんじるばかりで挙証責任を果たせなかった。そこである委員が詰め寄った。
 「文科省は需要の有無についてちゃんと判定を進めているのか」
 文科省は「わが省だけでは決められない。政府全体で決めてほしい」と需要推計を内閣府に委ねてしまった。事実上の「白旗」宣言だった。山本の言う「勝負あり」とはこれを指す。
× × ×
 では、この直後に作成された文科省の内部文書とは一体何だったのか。政府関係者はこう明かす。
 「誰の目から見ても文科省はあまりに無残に敗北した。漏洩(ろうえい)した内部文書は、省内向けの敗北のエクスキューズ(言い訳)のために作られたのだろう
 では「総理のご意向」とは何か。WGの議論では一切登場しない。強いて言うならば「岩盤規制をドリルで崩せ」という国家戦略特区の大方針を指すのではないか。
× × ×
 28年9月16日のWG会合で獣医学部新設の道筋は開けたかに見えたが、11月9日の国家戦略特別区域諮問会議では「広域的に獣医学部のない地域に限り新設を認める」という新たな条件が加わった。
 これには理由があった。八田は10月末に山本にこう耳打ちした。
 「獣医師会がまた厳しいことを言ってくる可能性がある。ニーズの高い地域に絞ることで反対勢力と合意しやすくしよう」
 八田は「獣医学部の定員規制そのものがナンセンスだ」と考えていたが、座長の職務を通じて獣医師会の政治力のすさまじさを思い知った。山本も「早く岩盤規制を突破するには仕方ないな」と渋々応じた。
 それでも獣医師会は猛反発した。獣医師会会長で自民党福岡県連会長の蔵内勇夫は11月22日の獣医師会のメールマガジンで「必ずや将来に禍根を残すであろう無責任な決定に対し、総力を挙げて反対して行きましょう」と呼びかけた。
蔵内らは12月8日、山本に直談判し、「新設は1カ所1校」とするよう求めた。やむなく山本も受け入れた。これにより新設は加計学園1校に絞られた。
 前文科事務次官の前川喜平は「『広域的』という条件により京都産業大(京都市)が排除され、加計学園に絞られた」「行政が歪(ゆが)められた」と批判している。
 だが、京産大副学長の黒坂光は今月14日の記者会見で「広域ということで対象外となったとは思っていない」と明言した。京産大とともに獣医学部誘致を目指した京都府知事の山田啓二も同日、こう語った。
 「愛媛県は10年間訴え続けたのに、こちらは1年。努力が足りなかった」

 果たして安倍政権は行政を歪めたのか。むしろ歪めたのは獣医師会であり、文科省ではなかったのか。獣医学部の問題の本質に踏み込まず、「安倍はお友達の加計を優遇したに違いない」という印象操作を繰り広げたメディアの罪もまた重い。=敬称略。いずれも肩書は当時

 この企画は沢田大典、今仲信博、広池慶一、田北真樹子が担当しました。
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